喪失感。

背：…………。
な：トドがいるよ
シ：やったねとーちゃん、今夜は焼肉だ
キ：トドを食うな
ゆ：そもそもあれはトドではないでしょう


背：食われるエンディングが見えた
シ：その終焉を
な：ぶち壊す！
キ：お前らが言うな
ゆ：ようやくやる気を少しずつ出したのですから……
背：んむ……まあぶっちゃけると祖母が先日亡くなってね
シ：寝ずの番をしていたんだったっけか
背：寝ずって言うか、家族が起きてくるまでのね。だから早いうちに気付けたんだけど
ゆ：……看取られたのですね
背：ショックとか悲しいとかってのはないんだけど、遺影を見るとなんかこう、あれね
背：もういないんだなあという喪失感がね。四十九日過ぎたらもっとひどくなるんだろうな、と
な：ああ……
シ：それは……仕方がないな
背：それもそうなんだけどさ
背：何もヘリコプター搭載護衛艦 ひゅうが 離島防衛作戦の発送通知が告別式の最中に届かなくてもいいだろ……
背：一瞬喜んでしまった自分がどうしようもねーわ
キ：実感がわかないとそういうこともある……らしい
シ：ほんっとお前残念だよな
背：まあ、それ過ぎたらほんとに気力なくなって趣味周りに一切手がつかなくなった
背：だけどなんとか元気出した。明日から本気出す（トド）
な：出てない、出てないよ
シ：ほっときゃそのうち復活するだろ
ゆ：嫌でも自覚しないといけないんですものね
キ：時間は特効薬、……か？